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2023-11-27 08:22:15

燃料不要な「量子エンジン」とは何か?



熱をエネルギー源とする従来の熱機関(heat engine)を離れ、熱を使わないエンジンというものを開発した複数の大学の内容を紹介しようと思います。
これが、今後普通に自動車や飛行機に用いることができるようになれば、また産業革命が起こるかもしれませんね。
専門的な記事から、かいつまんで紹介したいと思います。


沖縄科学技術大学院大(OIST)とドイツの複数の大学による国際研究チームは、世界で初めて「量子力学の原理を用いたエンジン」の設計・製作に成功しました。


産業革命

18世紀半ばから19世紀に起こった産業革命では、石炭を利用した外燃機関である蒸気機関の開発で動力源が刷新されたおかげで社会構造が変わりました。
自動車や飛行機などの輸送機関を中心にガソリンエンジンなどの内燃機関に取って代わられましたが、熱を動力に変換するという原理は同じでした。


たとえば自動車のエンジンは、燃料と空気が混ざった気体に点火して熱膨張させ、シリンダー内の圧力を高めることでピストンを上下させ、それを動力として車輪を回転させます。

OISTが開発した量子エンジンは、内燃機関と同様に圧力を発生させて動力を得ますが、代わりに熱を使わずにガス中の粒子の「量子的性質の変化」を利用しているといいます。
研究成果は英科学総合誌「Nature」に09月27日付で掲載されました。


量子エンジンの原理

今回のOISTの研究チームは、極低温下の条件のもと実験室内で動作する超小型の量子エンジンを製作して概念実証を行いました。

自然界に存在する粒子は、量子的性質に基づいて、フェルミオン(フェルミ粒子)かボソン(ボース粒子)のどちらかに分類されます。
フェルミオンに属する粒子には、電子や陽子、中性子があります。
ボソンに属する粒子には光子や質量を担うヒッグス粒子、湯川秀樹博士に予言された中間子などがあります。

絶対零度に近い極低温の世界では、粒子は量子力学的な効果が重要となります。ボソンはフェルミオンよりも低いエネルギー状態にあり、両者のエネルギー差をエンジンの動力に利用することができます。
つまり、ボソンをフェルミオンに変化させ、また元に戻すことが、量子エンジンの動力になります。

ボソンとフェルミオンの違いは、スピン角運動量がディラック定数の整数倍か半整数倍かです。
なので、フェルミオンをボソンに変えるには、2つのフェルミオンを組み合わせて分子にします。
この新しい分子はディラック定数の整数倍のスピン角運動量なので、ボソンになります。
研究を主導したOISTのトーマス・ブッシュ教授は、新しくできた分子を分解することで、フェルミオンを再び取り出すことができて、これを繰り返し行うことで熱を使わずにエンジンを動かせると説明します。
さらに、ドイツの共同研究チームが構築した現在の実験の設定では、エンジンの効率を最大25%高められることが分かったといいます。


動力源の概念を抜本的に変える可能性

もっとも、今後、自動車などに使える実用的な量子エンジンを作るためには、いくつかのステップを乗り越えなければなりません。
たとえば、極低温状態を保たなければなりません。

冷却のためには、かなりのエネルギーが必要となります。それでも、実用化されれば、動力源の概念を抜本的に変えてエネルギー革命を起こす可能性があります。

研究チームは、今後、基礎的な研究を進めて性能を高めたり、バッテリーやセンサーなど、他の機器への応用の可能性について調査したりする予定だといいます。

出典「Yahoo!Japanニュース - OISTが燃料不要な「量子エンジン」の設計・製作に成功 エネルギー新時代の幕開けか
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